1960年代の セイコークラウン をレポート

セコンドの氏原が更新します。


今回のブログの切り口は、国産時計のセイコーで参ります。


セイコーの上位機種といえば、グランドセイコーですね。

2017年の新作では、グランドセイコーのファーストモデルが発表されたりと、メーカーさんの過去モデルに対するリスペクトも感じられます。あわせて、グランドセイコーは古い世代も人気です。

※ちなみに、ブログ更新日現在、諏訪工場出身1961年のグランドセイコーのファーストモデルオリジナルモデルは店頭に一本在庫してます。(ホームページよりご覧ください。)


グランドセイコーは過去のモデルも人気、、、。

ということは!

人気は需要に変わり、価格に変換され、、、高額になりがちです。


逆に考えますと、、、。

セイコーアンティークの人気ストライクゾーンがグランドセイコーならば、、、。

ストライクゾーンを外せば、アウトローなお値付けが実現しやすくなります。


そして、高人気の影に隠れ気味ながらも、良い時計の存在にお気づきいただきたく、、、。

今回の、ご紹介時計はセイコーのクラウンです。


左、J15011(3針手巻時計) 34,000円+税

中央、J14096鉄道時計(3針手巻時計) 195,000円+税

右、15002(3針手巻時計) 38,000円+税

撮影をしながら、、、脳裏を過った、、だんご三兄弟。なつかしいですね。


さて、懐かしいを通り過ぎたセイコーの歴史的な背景では、セイコークラウンは1959年頃に登場しています。そして、海外時計の対抗馬となるべく1960年に登場したのがグランドセイコーという訳です。

両者は同じく諏訪工場の出身で、クラウンの高級発展型がグランドセイコーであるという過去の繋がりを持つようです。現役だった当時、グランドセイコーは高級ポジション、クラウンは中堅ポジションの様な関係であった事でしょう。


商品の方へ話を戻しますと、ざっくりと見てしまえば、同じ類ですが、三者三様の個性があります。

左のJ15011からご紹介します。


一見のところ、大きく広がった文字盤と、薄いベゼルの組み合わせで華奢な雰囲気ですね。

しかしながら、針や文字盤上のインデックス(目盛)は立派に太く、時間の読み取りやすさへの考えが形に表れています。無駄なく、直感的な機能の表れは現代のグランドセイコーにも継承されている事が分かります。

裏面からも、ボリュームは控えめに、、、華奢な感じですね。

コンディションは、錆の形跡もなく良好です。

そして、裏蓋オープン

開けてみてわかるのは、華奢なケースに対しギッシリと詰まった大型の機械です。

セイコーのCAL.560、主ゼンマイのトルクも太く強く、ダイナミックな機械なんですよ。

手巻き上げの手応えが多少重いのは、クラウンの特徴です。

華奢な外観に対し、ギャップを感じますね。


この世代には、デリケートな歯車の心棒を守るための耐震構造(ダイヤショック)や、油の拡散を防ごうとする保油機能(ダイヤフィックス)も進化し、機能的な実用性も安定しています。

文字盤にはダイヤショックの表記がありますが、この実用的な機能をもつ事を露にしたい思いの表れだと思います。

ちなみに、私(氏原)の手により、機械は分解洗浄し、注油を済ませています。オーバーホール済みです。テンプの振りも大きく、トルクの伝達具合も絶好調です。

もちろん、ダイヤショックもフィックスも分解洗浄注油してます。

セットで外装の磨きも済ませています。びっかびかですよ。

続きましては、超レアモデルのクラウン鉄道時計です。

一言にいうクラウンでも、バリエーションは豊富です。しかし、そのほとんどがバーインデックスのモデルです。アラビア数字というだけでも十分に希少です。

更に、当モデルは国鉄時代の配給品だった様です。配給品は一般的に市販されていないモデルですので、希少性は一気に増しますね。某資料によりますと、国鉄配給されたのはJ14096だけだったとか、他の品番では拝見したことがないという内容でした。まさにそのJ14096です。

通常のクラウンと違うのは、文字盤にも表記されている通りセコンドセッティングの機能が付加されています。リューズを引いて時間合わせの際に、秒針規制が働き秒針の動きを止める事が出来ます。

現代的には、普通の機能ですがクラウン的には珍しい事なんです。

裏面にはしっかりと彫り込まれています。これをもって鉄道時計と言わずにはいられません。

盛鉄1963年の配給だったようです。漢字が国産のリアリティを表しますね。

こちらは、OH時期に関しては不明です。

点検の結果では、テンプの振りも安定的でしたので、そのまま商品として扱っています。

外装も、年代の雰囲気を残すために、あえて磨かず、、、。風防だけ新しい物に交換しました。

最後に15002です。

比較的、定番的な印象のケースデザインだと思います。

クラウンらしいの言葉が当てはまる様な印象です。

このモデルの個性は文字盤に施された格子状の模様です。

これも数少ない文字盤なんですよ。

少しの汚れこそありますが、比較的きれいな文字盤です。

外装仕上げも行わず、古い感じを残しています。

こちらも、OH歴不明ですが、点検の結果機械のコンディションは悪くありません。

クラウンの共通スペックでは、何れも非防水の構造ですので水扱いや汗にご注意ください。

また、OHを行っていないモデルに関しまして、ご希望であれば納品前に格安でOH・外装磨き仕上げも行いますので、ご相談くださいね。


セイコーの歴史を感じられるクラウン。

華奢な見た目ですが、パワフルムーブメントを搭載した時計です。



何れも一点ものです。ご決断はお早めにお願い致します。

セコンド時計店の氏原でした。


セコンド時計店B1Fの時計レポート

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